彼とバスケと私
試合が終わってからは、相手チームに挨拶したり片付けたりでバタバタして、結局ほとんど話せなかった。
今日は、マネージャーのお仕事は早く終わって、選手達よりも早かった。
待ってようかな。翔樹を。
体育館を出てすぐの壁にもたれて翔樹を待っていると、3分ぐらいで出てきた。
「あれ、美由?帰ってなかったんだ」
「うん」
「…よかった。美由と話したかったから」
ドキッ
優しく微笑みながらそう言う翔樹に、心臓が音をたてる。
「私も……翔樹と話したくて。
だから、待ってたの」