彼とバスケと私
たったそれだけのことなのに、凄く幸せな気分になれる。
2人隣に並んで歩き出して、思い出したこと。
「ごめんね?遠回りなのに……」
そう。翔樹の家から私の家を通って学校へ行こうと思うと、遠回りになってしまう。
実際に翔樹の家に行ったことはないから詳しくは知らないけれど、前どこら辺なのか教えてもらっていたからそれはわかる。
「気にしなくていいよ。
俺が来たくて来たんだから」
「……ありがとう」
ほんと、優しい。
わざわざ遠回りなんて、普通はしたくない筈なのに…。