彼とバスケと私
少し気まずそうな表情でこちらに走ってきた翔樹。
「彼女に告白してるとこなんて、見せて悪かった。
……でも、大事にしないと…すぐに俺がもらうからな」
もう、悲しそうな和也先輩なんていない。
爽やかな笑みを浮かべる和也先輩は、いつもの和也先輩だ。
「渡しませんよ。絶対」
「!!………」
翔樹のその言葉に、思わず赤くなる頬。
そんなの、私の前で言わないで……。
恥ずかしすぎる。
あ………でも、本当は嬉しかった…。
たまには、いいかも…。
顔が赤くなってしまうのは…防げないけども。