彼とバスケと私
「たーかとキャプテーン!」
「大和副キャプテーン!」
何人かがそう声を張り上げ、そこから皆わちゃわちゃと騒ぎ出す。
カラオケを歌い出したり、話したり。
踊っている人もいれば、ただそれを見て笑っている人もいる。
「このチーム、本当に仲いいわよね」
と、いつの間にか私の隣に来ていた奈実先輩に話しかけられる。
「本当、そうですよね。
こんなに仲よくて楽しそうなのに…、別れがあるなんて…なんか残酷ですよね」
「そうねー。
でも、別れがあるからこそ本当に大事な人の見分けがついたりするし、あとから思い出として輝く。
別れは人間には必要なものなんじゃないかな」
別れは人間には必要なもの……か…。
確かにそうかもしれないな…。