彼とバスケと私
「じゃーな、翔樹と美由」
「さよなら!」
「さよならー」
カラオケをでて、皆でゾロゾロと歩いて帰っていたんだけど、方向が違うため私と翔樹は皆と別れた。
「翔樹ー!ちゃんと美由のこと家まで送れよ!
あ、なんなら俺が行こうか?」
「絶対大和先輩には行かせないっすよ!
俺が美由を送るんで、安心して引っ込んでてください」
「おい、何げに酷いこと言ってるんだけど!?」
いつものように会話している翔樹と大和先輩を笑って見ていたら、不意に翔樹に手を繋がれる。
恋人繋ぎで。
「じゃ、ほんとに俺ら帰るんで!」
「気を付けてなー」
ペコリと頭を軽く下げてから、2人で歩き出す。
「あいつら………って言うか、翔樹は完全に見せつけてたな」
「あんなの見たら、俺なんか寂しい…」
「彼女欲しいーー!」
「翔樹め!!」
などと散々文句を言われていたことなど知らずに。
翔樹ばっかりだけど…。