彼とバスケと私
いろんな事を思いながら放たれたボール。
それはまっすぐにリングへ向かってゆく。
パシュッ
「おぉ!」
心の中で、私はそう言った。
けれど口には出していない。
私の耳に届いたこの声を発したのは……
「翔樹!?まだ帰ってなかったの!?」
「帰ろうと思ったら美由の靴がまだあったからさー。
で、ちょっと待ってたんだけど遅いから見に来たらドリブルを突く美由がいて、
思わず眺めてた訳よ」
私の靴があったから待ってたってなんで?
それ、理由になってなくない?
「てかさぁ!お前めっちゃシュート入るんじゃん!」