彼とバスケと私







杉田くんと連絡先を交換して、
すぐに帰ると思っていたのに杉田くんはなかなか帰らなくて、
結局チャイムが鳴るギリギリまでいた。


だから翔樹に話し掛けることが出来なかった。





でも部活だってあるし…。


そのときに聞けるから大丈夫かな。





最後の授業を終えて、HRも終わって、部活に行くため鞄を肩に掛ける。



いつもなら私の席に翔樹と拓が2人で私の席にくるんだけど……、
今来たのは拓1人。




「あれ、翔樹は?」



「なんかムスッとした顔しながらあそこで待ってる」


そう言いながら拓が指差した方は教室の扉。



そこを見ると、無表情で壁をじっと見つめている翔樹がいた。



無表情なんて…翔樹には珍しい。



いつもなにかしらの表情があるのに……。




「何かあったのかな?」


そう拓に訪ねてみる。



「何か…あったな……うん」



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