彼とバスケと私




しばらくして帰ってきた2人。



翔樹は少し項垂れてる。


本当に何があったんだろうか。



いつも眩しいくらいの笑顔を振り撒いている翔樹がああなるなんて…。





翔樹をじっと見ていたら、バチッと目が合ってしまった。




あ、見てたのばれちゃう…!




そう思ったけど、目を反らせなかった私。



それは、翔樹が真剣な表情で私を見つめてきたから。




私から目を一切離さず、ゆっくりとこっちへ向かってくる翔樹。



「なぁ、美由」


私の近くに来て放った声は、想像していたものよりも柔らかい声だった。




「お前、彼氏………いんの?」



「……………は?」




え、なになに?


真剣な顔してくるから、あんな風になってた理由がくると思ったのに…。



彼氏いるか……?



なにそれ、関係ないでしょ…!



「お願い、答えて。いるのか?」


そう訪ねてくる翔樹はやっぱり真剣な表情で。


「彼氏なんていないよ」



答えずにはいられなかった。






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