彼とバスケと私
「あれ、なんで拓と和也先輩が一緒に?」
拓は担任に呼ばれていたから、翔樹と2人で先に来ていた。
その拓がなぜ和也先輩と一緒にいるのだろう。
「あー、担任に呼ばれて職員室行ってたんだけど、用が終わって職員室をでたら、丁度和也先輩がいてさ」
「俺は監督に用があって職員室にいたんだ。
それで、拓と会ったから一緒にきたわけ」
そっかそっか。納得。
「体育館早く行こうぜ」
と和也先輩が歩き出したと思うと、私の近くにあったボトルを持った。
それに続いて拓も。
「美由、早く持ちな。置いてくよ?」
そう拓に言われてはっとした私は、まだ地面に置かれたままだったボトルを持つ。
2人のおかげで何往復もしなくてすむ。
「拓も和也先輩もありがとうございます」
「いやいや。こっちはいつも世話してもらってるから。これくらい全然いいよ」
和也先輩……優しい!
拓もその隣で微笑んでいた。
2人と一緒に体育館に入ると、さすがにもう私達以外の部員全員がきていた。