初恋は雪に包まれて
「えっ?これから……?」
「うん、どーせ酔っぱらいばっかりだし、俺ら抜けてもわかんねーよ。な?」
「うん、でも、みんな心配しないかな……」
久しぶりに同期が集まって飲み食いした後、まだまだテンションの高いやつらは二軒目に行こうと話を進めている。
そこでひっそりと小山ちゃんに身を寄せて、その小さな耳に「これから俺の家であのDVD見ようぜ。」と囁いたのだ。
ごめんな、小山ちゃん。
俺はそんなに気が長くないんだ。
それに狙った相手はこの手で落とさない気が済まない性格なんだ。
この一ヶ月、俺的にはかなり距離を縮めたつもりだ。だからさ、そろそろ頂いてもいいだろ?
「うん、……じゃあお邪魔させてもらおうかなぁ。」
「……うん、DVD見て飲み直そうぜ。」
よし、もうこれで小山ちゃんは俺のものだろう。
家は二人きりだ。誰もいない、誰にも邪魔なんて――
「小山!」