初恋は雪に包まれて
私は大好きなペスカトーレを頬張りながら、やっぱり夕ちゃんにはかなわないなぁ、と思う。
「ふふ、やっぱりここのパスタが一番美味しいね」
「日和、人の話聞いてないでしょ。」
「……ごめんなさい。えっとね、何かは……あったかな。」
そう曖昧に答える私は、夕ちゃんの大きな瞳で捕らえられる。その瞳からは「そんなんじゃわからないわよ。」という言葉がひしひしと伝わってくる。
私は一度フォークをお皿に置き、烏龍茶を一口だけ飲む。
そして、思いきったように口を開いた。
「こっ……告白されたの!」
「ふうん。」
あれ?
「……そんな反応?」
「そりゃあアンタ、今時告白されたくらいじゃそんな深刻そうな顔しないわよ。」
…そうなのかなぁ。
だって私は人一倍恋愛経験が少ないのだ。少ないというか、もうこれは無いに等しいのかもしれない。