初恋は雪に包まれて


「もう私に話してないこと、ないでしょうね?」


結局、ニューヨークチーズケーキを頼んだ夕ちゃんは、それを小さなフォークで綺麗に食べながらそう言った。

ちなみに私も頼もうか迷い、結局やめた。だって、これ以上食べたら普通体型以上になってしまう。



「うん、もうこれで全部です。」と言いかけた時だった。テーブルに置いていた私のスマートフォンが小さく震えたのだ。


その画面に現れたメッセージ。


【差出人:伊東くん】


その文字を認識した瞬間、一気に私の体温が上がった。顔が、熱い。


【次の休み暇?】

その言葉がどういう意味を表しているか。私にしては、その答えに辿り着くのが早かったと思う。



「なーに、デートのお誘い?」

「ゆっ、夕ちゃん!」

「焦りすぎ。……どうするの?」


さて、どうするか。

私のスマートフォンを覗きこみなから、夕ちゃんはニコニコと、いやニヤニヤと笑っている。


…あぁ、どうしようか。



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