初恋は雪に包まれて


……あの日。

次の休み暇?というメッセージに、少し震える指先で、暇です、とだけ返すと。

すこしの時間を置いて、じゃあ空けておいて、と返ってきた。



「もう、はっきりしなさいよ!デートなんでしょ!」

「そ、うなのかな、やっぱり……」

「当たり前でしょ。他に何があるのよ。」


何このピュアなやりとり!と少し息を荒くする夕ちゃんが少し面白くて、けれどメッセージの内容が気になって上手く笑えない。

結局、その日のメッセージのやりとりはそれだけで終わってしまったのだけれど、その三日後、再びメッセージを受信した。




【車酔いとかする?】


最初その言葉の意図がわからなかった。不思議に思いつつも、滅多にしないことを伝える。

午後九時。ベッドの上でだらだらと過ごしながら彼の返事を待つと、それは意外とすぐに返ってきた。


一時に迎えにいく、とだけ書かれたメッセージ。
と、言うことは彼は車で来るということか。


伊東くん、車持ってるんだ、とまた知らない一面を知る。

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