初恋は雪に包まれて

話題のショップということでとても賑わっている店内に足を踏み入れる。

店内はお香の匂いが広がっていた。


ここに来た理由は他でもない、我が親友である夕ちゃんの誕生日に渡すプレゼントを選びにきたのだ。

和雑貨が好きで日頃から集めている彼女に何かプレゼントをしようと、話題のショップへとやってきたわけだが。


「……何にしよう。」

優柔不断な性格はこういった場面では幾度となく発揮される。

品の良い扇子からハンカチ、食器もあれば髪飾りやお香まで揃っている。


夕ちゃんはどんなものだと喜んでくれるのだろうか。

……いや、夕ちゃんのことだからきっと何をあげても喜んでくれるのだろうけど、やっぱり心の底から嬉しいの感じるものをプレゼントしたい。


「……迷うなぁ。」

そもそも情報通の夕ちゃんは、もう既にこのショップへ訪れているのだはないか?

そんな疑問が頭をよぎった、

あぁ、だとしたら、プレゼント選びはもっと難航してしまいそうだ。

< 91 / 134 >

この作品をシェア

pagetop