初恋は雪に包まれて
「あなたは、淳ちゃんと付き合ってるんですか。」
いつまで無言でいるのだろう、ぼんやりと思っている時だった。
唐突にそんな質問を投げ掛ける彼女の目は、真っ直ぐに私を捕らえている。
「……ううん、ちがうよ。」
私が否定する姿を見て、彼女はあからさまにホッとしたような様子で、ふうん、と続ける。
「……でも普通の友達ってわけでも無さそうですね。」
「えっ、……そうかな。」
普通の友達、の定義がいまいちよくわからない。
だけど夕ちゃん曰く"両想い"らしい私たちは、普通の友達の枠を越えているのだろうか。
「見た感じ、淳ちゃんはあなたに惚れてるみたいですし。」
「えっと、」
「何がいいんだか。」
もしかして私、結構馬鹿にされてる?何がいいんだか、ってそんなこと私にだって謎だ。
マグカップを両手で包み、ゆらゆらと揺らす。カフェラテはすでに半分ほどに減っている。
手にするマグカップは、ほんのりと温かい。