僕達は何度も恋をする
「ちなー!!あの人!かっこよくない!?」

個人経営の小さなゲームセンター。
私は玲奈とここで毎日のように遊んでいた。
玲奈は、はしゃぎながら私の方へ駆け寄ってきて、隅っこに座ってる男の人を指差して言った。

「ちょっとぉ!玲奈ぁ!やめなよぉ!恥ずかしいじゃん!」

私は玲奈の手をとって、顔を赤らめた。

「だって!だって!めっちゃタイプ!ねぇ!?声かけて来ていい!?」

玲奈は興奮が抑えきれないようで、手をパタパタさせていた。
玲奈の指を指した方向にチラリと目をやると、確かに格好いい男の人が立っていた。

ヤンキーの多い街で育った私達には、あまり関わりがない感じの美少年。

玲奈はいつも、金髪でヤンキーって感じの男の子達とつるんでいたから、タイプって言葉に疑問を感じたけども…。

ぽけーっと、その美少年を見つめていると、視界に玲奈と美少年。

玲奈は、まるで恋をした女の子の様な顔で話しかけていた。


一目惚れ、ってあるのかな。


私は、そんな玲奈を見て微笑ましくなった。

私もいつか、恋をするのかな。




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