月光-ゲッコウ-
支度をすませてマンションの下に降りると、15分早いけど迎えが来ていた。
車に乗りこむみ、社長の自宅へ向かう。
これが毎朝の日課。
社長の自宅に着く前に、携帯を確認すると、すでに加雁さんからの返信が来ていた。
〔おはよう。火曜では都合悪い??僕的には君と早く食事がしたいのだけど。〕
携帯メールに変わったとたん、ずいぶん馴れ馴れしい文章に変わった気が…
まぁ、こっちとしてもさっさと食事して早めに断った方がいい。
〔わかりました。では、明日の火曜19時で。〕
返信すると、5分もしないうちに返って来た。
〔待ち合わせ場所はまた連絡するよ。〕
〔わかりました。〕
返信し終えたと同時に、社長の自宅へと着いた。
携帯をバッグにしまって、1度車から降りる。
車のドアの前にたって、社長が来るのを待つ。
「新堂くん、おはよう。」
『おはようございます、小田切社長。』
社長が車に乗ると、続いて再度車に乗る。
『今日は10時から社で会議…』
え??
乗ってすぐ、朝の予定を告げようとすると社長に押し倒された。
「…休みは何をしていた??」
いつもより低い声…
どうしたのだろう??
まだ朝だし、お酒は入ってるハズもないのに…
『…ずっと家に。…社長??』