月光-ゲッコウ-
最上階に着くと、そこはバーになっていた。
入り口には【white moon】とかかれてぃた。
白い…月…?
このホテルの名前は【pearl moon】
あたしが好きな月ばっかり…
加雁さんについて入ると、壁一面ガラス張りの席に座った。
夜景が綺麗…
何よりも、月が近い。
おすすめのカクテルを頼み、再びグラスを重ねる。
話し…はぐらかされた感じだなぁ。
流される間にここに来ちゃったし。
でも、月が綺麗に見える。
ついてきて良かったかな。
「これに見覚えあるだろ??」
急に加雁さんは言葉を放ち、テーブルの上に何かをおいた。
こ…れは…ッ!
白の三日月のネックレス。
せれは、あたしが3年前に無くしたモノだった。
なんで、加雁さんが!?
「千歳は俺の顔なんか覚えてないだろうが、3年前に1度、俺はお前と会った事があるんだよ。」
会った…事がある?
嘘…でしょ?
またこういう手口で惑わすつもり?
でも、このネックレスは…あたしのだ。
世界に一つしかない、ネックレスだからわかる。
知り合いにわざわざ作ってもらったもの。
だから、誤魔化し様がない。
でも、どこで会ったっていうの!?
「3年前、おまえが小田切社長の第一秘書の地位に付いた次の日、六本木のジュエルというバーで千歳に絡まれたって言えば、少しは思い出せるか?」
3年前…
社長の第一秘書になった次の日…
あっ…
あたしの記憶は一気に3年前のあの日を思い出した…