月光-ゲッコウ-
3年もの間、探してくれてたの…?
あたしを…
そう思うと涙が頬を伝った。
信じていいんだろうか?
こんなに言ってくれてる加雁さんを、あたしは疑う事しか出来ない。
暗闇はあたしが思った以上に暗いんだ。
加雁さんを励ましたあの言葉は
ぁたしの本当の気持ち。
あたしに強い心があれば、逃げなかった
誰も愛さないと決めたあたしの方が
本当は光を探したかったんだ…
「千歳…俺が一生愛してやる。俺が月になってやる。だから、もう1人でいるなんて思うな。今度は俺がおまえを助けてやるよ。」
そう言うと、次々とこぼれる涙を手で拭うと、あたしを抱きしめた。
加雁さん…
あたし
この人が好きだ…
必死に好きじゃないと言い聞かせて
心の奥に隠していたのに、気づいてしまった…。
抱きしめられていた身体が少し離されると、加雁さんの手がもう1度あたしの涙を拭う。
顔が近づくと、唇が重なった。
あたし加雁さんが好き…