月光-ゲッコウ-
8.上弦の月
目が覚めると、隣で加雁さんが寝息をたてて寝ていた。
昨夜あの後、初めて加雁さんと夜を過ごした。
社長とは欲求も満たす為に、重ねた身体。
忘れてた。
好きな人だと、心まで満たされる事を。
窓の外を見ると、朝日が昇ろうとしている。
加雁さんとも社長とも離れ様と思っていた。
それが今、こうして加雁さんの腕の中にいる。
社長と決着を着けにいかないと。
今日で愛人は終わり。
ベッドが出て、支度をする。
〔社長と終わらしてきます。〕
メモ用紙にそう書くと、ベッドわきのテーブルに置いて部屋を出た。
加雁さん待っててね。
終わらしたら、会いに行くから。
暗闇から、抜け出すから。