月光-ゲッコウ-
「食事中に申し訳ありませんでした。
また近いうちに、食事しながらお話しませんか?
そちらの秘書の方もご一緒に。」
え、あ、あたしもぉ!?
『おぉ、そうだな。
早々にスケジュールを確認して、そちらに連絡をよこそう。』
社長が軽く加雁さんの肩をぽんっと叩くと、加雁さんは会釈をして「では…また。」と言ってその場を後にした。
ライフモードの社長が若いのは知ってたけど、あんなに若かったなんて知らなかったなぁ。
っていうか、なんであたしも一緒に食事に誘われなきゃいけないの?
「すまなかったね、千歳。
突然知り合いにあってしまって。
明日にでもスケジュールの空きを調べておいてくれ。」
『はい。』
社長に頼まれなければ、行く必要ないよね。
おじさん社長達とばかりと食事してるせいか、若い人は苦手だ。
食事を終えると、車に乗っていつものホテルに向かう。
ここ最近社長は、あたしとの時間が多い。
他の愛人とはあまり会ってない様子だった。