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「無駄って何よ!娘が元気ならなによりでしょ?」

種はいぢわるそうに笑った。

「自分でいってちゃ世話ないな。」

父親は眉を下げてそういった。


「ま、元気もいいが好奇心余って、携帯を解体なんかするんじゃないぞ?」


父親のその言葉に種は硬直した。


「……なにそれ?」


おそるおそる尋ねた。


「また携帯事故だよ、今度は大学の研究生だとさ……全く、危険だと通知してるのになぜ開けるかね?」

「年に2、3人はやりますもんねぇ…そんなに気になるのかしら」


そういいながら母親が台所からコーヒーを運びながら出てきた。




………携帯事故。


よくあることだが今日は違う。


昨日のあれは夢じゃなかったの?

種は時計を見た

7時55分………


まさか…………



種はすぐにテレビのリモコンに手を伸ばした。



「テレビはいいから、早く食べなさいな、もうっ」


母親が種を急かしたが、種は無視してテレビ画面をじっと見た。
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