x34g
種と買い物にきているこの少女は綾子(あやこ)

種と違って色白の聡明な少女で祖母と暮らしていた。


「夏がおもいやられるねー、これじゃ」


種は汗をぬぐいながら、ため息まじりにそういった。


「うちのサークルの合宿は屋内だから涼しくていいね」

綾子はクスリと笑った。


「通称オタ部だからねっ」


種と綾子の所属する通称オタ部は、俗にいうなんでもサークルだ。

なんでもといってもテニスをしたり、卓球をしたり、飲み会をするわけではない


先週はリーダーのカンタの言い出した携帯型ゲーム機GSの競い合い


先々週は機械好きなイジリの言い出したパソコン組み立てとラジオの組み立て


その前は綾子が折り紙と…


よーするに色んなマニアが自分のマニアックな技に付き合わせるというなんとも勝手なサークルだ


種はオタ部に入るつもりなど毛頭なかったのだが、綾子がカンタの猛烈アタックを振り切れず、でも一人ではいるのは怖いというので付き合いで入る事にした
< 3 / 38 >

この作品をシェア

pagetop