【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
そう言われてみれば、確かに…思い当たるところもある。
『気が合うな』
そう言った時の、少し照れた笑顔とか
オレがじっと見ただけで赤くなった頬とか
下駄箱で待ち合わせた時のぎこちない歩き方とか…
小川の行動は、いつもオレが好きだって伝えてきていた。
だけど、言葉だけが反比例してて…
だから罰ゲームだなんて思ったりして…
…なるほど。そうゆう事だったのか。
今までの小川の行動や態度に納得がいって、オレは隣の小川に視線を移した。
『友達でいいですから』
友達として接していたって…簡単には気持ちは消えない。
むしろ、友達なんて厄介なもんになった方がきっと引きずるんだ。
…それはオレがよく知ってる。
だけど…
『望みがないのは分かってるんです。
だけど、話せないんじゃ悲しかったから』
振られても、傍にいたい気持ちも…よく分かる。
オレだって…その道を選んだから。
恋人になれなくても、友達として傍にいたくて…
小川の気持ちは、オレの気持ちと一緒だ。
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