【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
友達になってからも、
小川の態度はオレを好きだって言ってた。
いつだって、それを感じてた。
必死で隠してるつもりだったんだろうけど、小川の気持ちはいつも態度に出ていて…
言葉尻に出ていて…
ほのかに染めたピンクの頬に出ていて…
それを、オレは心地よく感じてたんだ。
自分で友達なんて言っておきながら、
小川に残酷な事してるのに気付いておきながら、
小川がオレを好きでいてくれる事に、心地よさを、安心を感じてた。
少し朱莉に似ている小川に、校内で人気のある小川に好かれる事で、オレは安心して…
そんな自分に気付いていたのに…
小川の気持ちに気付かない振りをしていた。
小川に…甘えてた。
『もうオレの事なんか好きじゃねぇのかも』なんて…思ってもなかったくせに思ったりして…
なんだよ…
何が友達だよ…
何が…っ
自分の気持ちを守るために、小川の気持ちを無視して傷つけた。
自分の気持ちを守るために、小川の隣を利用した。
小川を…
こんなオレを好きだって言ってくれた小川を…傷つけて泣かせた。
最低だ。
最低だよ、オレは…
小川…ごめん―――…
ごめん―――…
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