【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
おいおいおい、ちょっと待て。
…いいのか?これで。
つぅか…恥じらいとかは?
…あぁ、罰ゲームだっけ。
小川のあまりの落ち着きっぷりに眉を寄せていたオレは、罰ゲームという単語を思い出して眉間のシワを伸ばした。
罰ゲームなら早く終わらせてくれよ…
…つぅか、どんな罰ゲームだ、これ。
誰だ、こんな残酷な罰ゲーム考えたのは。
…会長かな。
いや、まさかな。
「先輩」
「え?」
「あたし、何か甘いモノが食べたいです」
「あぁ…じゃあ…」
校門を出たところで、相変わらず睨みつけてくる小川にたじたじになりながら、帰り道にあるクレープ屋を提案した。
いつか朱莉と行ったクレープ屋。
本当は思い出に取っときたいなんて思ったりもしたけど…
そんな女々しい男にもなりたくないし。
男はいつでも潔くなけりゃダメなんだ。
思ってる事があったってそれを表になんか出しちゃダメなんだ。
難しいけど。
.