翼のない天狗


 トクン



 私は何なのでしょうか、清青様……


 トクン トクン

 あなたと、同じ音がしていないか?

 トクン トクン トクン

 氷魚殿……

 トクン トクン トクン トクン 



 あなたは私だ……





 命の鼓動だ。力強く、一つずつ、確かに打っている。
 このおとをききたかった。

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