闇夜ニ咲ク華
「せやけど、だから言うて此処に入らんと後悔する。
例え町人共に後ろ指さされようが、それでお釣りが来るくらいの価値がここにはあるっちゅー自信が俺にはある」
これが、俺の命かけてやりたいことや。
と、少し照れくさそうに笑う山崎はとても輝いて見えた。
少なくとも、ただ先生達の思うままに動いていた人形のあたしよりは輝いている。
「とか、話してる間に着いたで。
此処が副長の部屋や、多分局長もいるやろ」
山崎が失礼します、と声をかけて入れば中には二人の男がいた。
一人は長い漆黒の髪を高い位置で結い上げている男。
もう一人は少し日に焼けていて、大柄で人の良さそうな男。
「局長、副長。
お忙しいとこすんまへんな、この子が報告した子やさかい、どうぞよろしゅう」