透明ニンゲンと秘密のレンアイ
「え!? でもオレ今、透明なハズなんだけど……」
「はあぁ? 透明?」
杉下君、何の妄想してんだか。
イケメンが勿体ないよ。
「杉下君って、バカなの?」
「ひでぇ!!」
私の言葉に、杉下君のが落ち込んだけど、おかまいなし。
するとそこに、胡桃が戻って来た。
「ほら、若桜なにしてんの。早く着替えようよ」
「あ、胡桃。ね、いたでしょ杉下君」
私は杉下君の方を向いた。確かにいる。
しかし胡桃は、首を縦には振らなかった。
「もう。まーだそんなコト言ってんの? ほら着替えるよ」
なんでっ!?
「あー、オレ今透明ニンゲンだからさ」
私の心の声が聞こえたのか、杉下君がそう言った。
透明ニンゲン!?
でも、胡桃の態度からしてホントっぽい……。
どうやら私が見えるのは、ユーレイじゃなくて
透明ニンゲンだったようです……。