透明ニンゲンと秘密のレンアイ


~若桜Sibe~




 テンションの高い人だなぁ・・・・・・。


 私は春乃さんの後に着いていきながら、そんな事を考えていた。



「はい、ここがお風呂場だよ。脱いだ服は乾かしとくから置いといてね。じゃ、ゆっくり温まってねぇ~」


「はい、ありがとうございますっ」



 私は洗面所に入り、春乃さんから着替えを貸してもらい、後ろで春乃さんがドアを閉めるのを確認してから服を脱いだ。


 濡れてるせいか、少しぬぎにくい。





 濡れてるといえば・・・・・・ヘンタイの濡れ姿、なんだかちょっとエロかっ・・・・・・


 ってなに考えてんのよ私! 私までヘンタイになってどうする!



 悶々としながらなんとか下着まで脱ぎ、髪を結っているゴムをほどいて右手首につけてから風呂場に足を踏み入れる。


 にしても、綺麗な家だなぁ。片づいてるし、洗面所とか風呂場のおっきい鏡も汚れが殆ど無い。手入れが行き届いてるって感じ。


 私の家はもうちょい汚いかも・・・・・・。


 きっとお母さんか、春乃さんが掃除してんだろうなぁ・・・・・・。



 ヘンタイは・・・・・・アイツはないな。



 失礼な事を考えながらシャワーから水を出す。最初の水はやっぱり冷たかったから、流しておいて温かくなるのを待つ。



 ていうかあのヘンタイ、女の子を家に入れるのは私が初めて? 二回目くらいだっけ。まあとにかく、あまり入れたことないんだってなぁ。



「どうせラブホとかでキャッキャウフフしてたんでしょーけど」



 ボソッと呟き、温かいシャワーで冷たい体を温める。



 でもなんか、それって逆に言えば私と遊ぶつもりは無いって事だよね?


 それは私とヘンタイの関係が、浅くて軽いものでは無いって事でいいのかな・・・・・・?



「それなら、いいのになぁ・・・・・・」



 遊ばれたくは、ないしね。


 きっとそれだけ・・・・・・それだけだよ・・・・・・。





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