ロストバゲージ!〜崖っぷち女、大逆転の恋〜
温泉を出た後はおいしい夕飯を食べた



その広間ではヨーロッパらしい

民族衣装を着た人たちが

バイオリンやアコーディオンの音に

合わせて軽快に踊ってた




透子ちゃんは旅の疲れとワインの酔いで

椅子に掛けたまま眠ってしまい


零志くんが負ぶって部屋まで

連れてってくれることに



直は同じ広間にいたバイク好きの

旅行客と意気投合し、しばらく話して

部屋に戻ると言って残った




「零志くんありがとう、

助かったよ」


「ああ」



零志くんが透子ちゃんを

ベッドに寝かせて布団を掛け


顔に掛かったさらさらの髪を

そっと払ってあげる…



その手つきに優しさだけじゃなく


愛しさが見えた気がした
< 162 / 250 >

この作品をシェア

pagetop