キミのための声
晃平はニコッと微笑み、
「あ~大丈夫!
アイツ超いい奴だから!」
「そ、そう?」
「おう!安心しろ!」
晃平の言い方から、その
建吾って人のことをよく
知ってるんだろうなと思った。
「今日言っといてやっから
明日にでも話してみ?」
一瞬どうしようか迷って
由香に視線を送ったけど、
由香も「それがいいよ!」と
頷いてくれたから、
そうすることにした。
「うん、話してみるっ。」
「頑張れなかりさ!」
晃平の隣から
ガッツポーズをする陽。
「……だから陽、
その呼び方やめて」
「なんでだよ!いーじゃん!」
相変わらず暑苦しい……
そう思ってしかめっ面をすると、
由香達に笑われた。
窓の外を見ると、次の授業が
体育のクラスが居た。
よく見たら6組で、集団の中に
葵くんの姿を見つける。
ジャージもとにかく似合っていて、
胸がキュウッとなる。
……ねぇ 葵くん
なんであたしと葵くんの距離は
こんなに遠く感じるのかな……。