コイビト未満
「…早く席について」
どこで何をしてるのか
悠々と昼登校の葵くん
葵の目を見ると、どんな表情になるか分からない
ここは教室で、他の生徒もいるし
絶対絶対絶対に赤の他人として接しないといけないから
教材に目を落とす
なのに、葵はずっと見てる気がして
挑発するような視線を感じる
バカじゃないの………
「じゃあ次…2行目から18行目まで三崎くん、読んで訳して」
「は!?ちょ、ちょ、俺今来たばっかなんだけど!
しかも他のやつよりセンテンス多くね!?」
「ここまでが切りがいいから…
毎回遅刻もしてるんだからこれくらいやって。早く」