コイビト未満
「あー…そうだね、あの時ね、沖田さんだったんだね
三崎くんとは何もないよ
三崎くんのお兄さんと仲が良くて、知り合いなだけ
あの時もたまたま図書館で調べ物してただけだから」
一生懸命頭の中で整理して言葉にする
完璧だと思ったのにどこか沖田沙耶は腑に落ちない顔をしてる
「まだ、なにか?」
「一緒に歩いてるところも見たし、学校で仲良さそうだし…
なんかすみません。色々問い詰めて」
気が強い子だと思っていたけど
葵のことになると、凄く弱々しい顔をして聞いて来る
恋している顔
こんな純粋な子に、凄く下手な嘘をついていることに
多少の罪悪感を感じる