コイビト未満

境界線



「うわーいい匂い
女の子って感じだね」

「女の子だし」


大学生になって
この部屋に引っ越して

男の人を部屋にあげたのは

家族以外では初めてかもしれない


コンパで出会った男には何人にも家に行きたいと言われたけど一切スルーで


勿論、三崎さんも部屋に入れたことない



なのに、葵はこうも簡単に…


なんか今まで何かを守ってきた自分が情けなくなってきた



「想像と違った」

「がっかりした?」

「ううん、むしろもっと好きになった
すっごく可愛い」




恥ずかしい言葉をサラッと言う葵の発言は
重みを感じられないくらい軽々しく


感じさせないのは葵の才能なのかも知れない





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