コイビト未満


「分かってると思うけど、

あんたは葵くんのことが好きなんだからね?
人より少し感情表現が苦手なだけで
葵くんのことが好きなの

それで、葵くんもそれ以上にあんたのことが好きなの


それで完結じゃん、わざわざ変に嘘をつく必要が私には分からない

疚しいことをしてるわけじゃないのに三崎さんに遠慮する理由も分からないし、実習が終わってその女の子にも本当のこと言えばいいことじゃん


菜成が何を守ってんのか全然わかんないわ、ごめん」





梨羽の言葉が一つ一つ刺さった

桐矢くんにも言われて


ダブルパンチでメンタル崩壊寸前






やっぱり年を重ねるに連れて

好きの感情だけでは動いてはいけない気がして

と言っても、なかなか上手く気持ちを素直に伝えられないんだけど

関わってる周りの人のことを考えると


周りの関係が壊れない一番上手くいく方法を先に考えてしまう



だから葵の優先順位はそんなに高くないのかも知れない



< 133 / 433 >

この作品をシェア

pagetop