コイビト未満

きれいごと







「3週間という短い間でしたが

沢山の刺激を受けて沢山のことを学ばせて頂きました

この経験を今後活かせるように頑張ります
みなさんも、貴重な学生生活ですので無駄にしないように楽しんでください」




3週間の実習が終わった




別れを惜しんで、悲しんでくれる生徒たち



「菜成ちゃんいなくなるの寂しい〜」

「また来てよー!今度文化祭あるしね!」

「ふふ、ありがとう美麗、芽久それからミオもね
最後まであんたたちは馴れ馴れしかったけど…でも楽しかったよ
文化祭行くね」




今時の生徒たちに囲まれて

なんだかんだ実習自体は充実したもので

将来教員になるつもりは更々ないけれど



教育現場の魅力を再確認できた3週間だった




「蓮見先生」



放課後全てのレポートを提出して

校長先生、担当の先生方に挨拶をして


全てのプログラムを終えた私は校舎を後にした



そこに校門で待ち伏せをしていたのが、沖田沙耶



時刻はもう20時過ぎ

ずっと待ってたの…?





「沖田さん…こんな時間に
どうしたの?」

「すみません、どうしても先生と話したくて…」




外は真っ暗


校舎にも警備員以外殆ど人はいない



ずっと私のことを待っていた




その顔は、すごく切なそうな顔





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