コイビト未満
「ありがと利根………」
「これでも菜成のことは、一番知ってるつもりですからね」
利根に頭をポンとされて元気を注入
利根はいつでも私の側で元気をくれる
愛とか恋とか、そういうのじゃなくて
利根っていう存在は私の中で必要不可欠な存在
「また何かあったら…言うね?」
「おう、報連相、早め早めにな。」
「はーい…」
私はどうしても一人では生きていけない
結局いつも誰かに道を作ってもらって
脱線した時には軌道を修正してもらって
フラフラ不安定な足元でも一歩ずつ歩きながら
その先にある目に見えない未来を追ってる
どうしても真っ暗闇を歩くことは怖くて
簡単な道へ回り道してしまう
それでもしっかりと呼び戻してくれるのが
利根なんだ
初夏の夜風はまだ涼しい
利根のパーカーを借りた時、利根に包まれたようで変な感じがした
ここまで近いことなんて、ないから
「なんか、変なのー」
「なんだよ」
「別に」
高校の時みたいに
二人ふざけて、笑い合って
この懐かしい感覚がすごく、くすぐったかった