コイビト未満


「なあ蓮見先生

もし、何か先生の中で突っかかってるものがあってさ
それが俺にどうにかできることであったら俺力になるから…」



「なんでそんな顔するの?
桐矢くんは別に何も考えなくて大丈夫だよ
私のことだから…」


「それは葵のことでもあるから。

葵のことは俺のことでもあるから。


だから、頼むから
一人で抱え込まないで」





桐矢くんの優しさは

私への優しさではない


親友の、葵に対しての優しさ



葵のために、してくれてること




私じゃない





勘違いしてはいけない





桐矢くんが守りたいのは





葵だ





< 163 / 433 >

この作品をシェア

pagetop