コイビト未満
私が連絡を絶っていたこと
相当研修がつまらなかったこと
少々、いや、かなり御機嫌斜めな葵
「ちょ…あおい?」
「あーやっと菜成ー
まじで長すぎた。無理」
「んっ…」
葵から離れている間は
葵のことを忘れることができる
これからもずっとできる、そう思っているのに
目の前にいると、そんな理性は全て飛ばされてしまって
結局簡単に葵のものになる
だからダメなんだって、何度も何度もいい聞かせているのに
葵の全てが心地よくて
甘えてくる葵に甘えてしまう、ダメな自分
「離れようよ」
「嫌なの?」
「嫌…ではないけど…」
「じゃあいいじゃん」
「暑いし…」
後ろからぎゅっと抱きしめられるのが、安心して
一番好きで、満たされる
それだけでいい気がする