コイビト未満
「俺はすごいドキドキしてるの!
菜成はドキドキしないの?」
「うん、しない」
「しないの!?」
「ねえ、うるさいんだけど…」
葵のテンションについていけなくて
ドキドキもへったくれもない
自分で雰囲気壊してるし
葵にドキドキなんて
一生しないと思う
「菜成は何しても、ドキドキしないの?」
結局いつもペースは葵の方で
気付けば私はソファに押し倒されてて
でもそれに動揺する気も起きなくて
「じゃあ、何も気にしないでてくれる?全部、」
少し切ない顔、してた
いつもおちゃらけた、呑気な顔してるくせに
ちょっと男らしい顔しちゃって
そんな冷静な事考えている内に
葵から触れた唇と唇