コイビト未満
「バイト?なんの?」
「カフェ、去年出来た所。駅前にあるでしょ?そこで夏だけヘルプで」
バイトの話をした途端
葵の顔は顰め面に
「葵?」
「そこ、男もいんだろ?」
「え?そ、そりゃ…」
「男も来んだろ?」
「そりゃそうでしょ…」
なんとなく葵の顰めっ面の原因が分かった
葵はすぐそういうことばかり心配する
嫌じゃないけど
心配し過ぎだよ…
「あの店の系列俺の高校でも何人かバイトしてっけどチャラい奴ばっかだし!やめろ!菜成!派遣でデータ入力とかにしとけって!」
「なんでそんな地味な仕事しなきゃいけないのよ…大丈夫だってば
別にたかがバイトなんだから変な気は起こさないってば…」
やだ、だめって、そればかり
子供のように駄々をこねる