コイビト未満
いつもの帰り道を通ったら葵に見つかる
私は何を怯えているのか分からない
けれど、それが嫌で
来た道を迂回し また人混みに埋もれる
チラッと見えた沖田さんの表情
脳裏に焼き付いて離れない
凄くキラキラして
楽しそうで
いつかも見た、あの表情は
まだ、葵に恋をしている
そりゃそうだ
男と女、花火大会
そりゃ、そうだ。
そうだ…よね。
小走りで家に帰った
もう、何も視界に入らないように
ずっとずっと現実から逃げるように走った