コイビト未満
何言ってんだ私って
言った後に押し寄せる大きな後悔
戸惑う葵の顔が見えなくても想像出来る
「今日…見られてた?
違うんだよ、あれは…」
「分かってる。
私はとやかく言える立場じゃないからどうこう言うつもりもない
全然問題ない。全然
大丈夫だから
葵の気持ちもわかってるし、本当に大丈夫なの
でもね、沖田さんの気持ち考えたら、なんか…」
ー
気持ちがなくてもいい
今日だけは一緒にいたい
お願い
ー
そんなお願い、葵にしたんでしょう
そんな哀しい顔をして求めてくる彼女を
優しい葵は断れなかったんでしょう
だけどああやってまた葵の優しさを彼女に見せたら
私が沖田さんだったら忘れるどころか
もっと好きになってしまうと思う、
そしてそれが実らない恋だと分かっているから尚更辛くなる気がするの