コイビト未満
「風が気持ちいいね〜…
来たばかりだけど、帰りたくないって思っちゃう
いつも逆ホームシックになるんだよね」
ゆっくりゆっくり流れる時間
葵と二人きりの時間
三崎さんのことも
沖田さんのことも
何も考えずに過ごせる、私たちだけの時間
「なに?葵」
「いや、可愛いなって
こんな顔初めて見たから」
「やだー見ないで!
いつもと変わらないから!」
マジマジと嬉しそうに私を見る葵
こんな顔が近くに来たら
何度もキスしてても、凄く恥ずかしくなる
全てを見透かされている気がしてしまって
「余計なこと考えないでいいから
楽しみましょうね」
「はい…」
ニコッと笑って頭を撫でる
そして、不意打ちのキス
「もう…」
「やっぱり可愛い」
「バカ」
本当に恥ずかしい
でも私たちしかいないこの場所では
幾らか何時もより大胆になれてしまう