コイビト未満




ホテルで少しゆっくりしてからは

お昼ご飯を二人で食べて

その頃には夕方になっていたから


今日は、ゆっくり二人の時間



ホテル近くの海辺を散策した




「わー…砂が白い…」

「これはね、珊瑚の死骸なんだよ
珊瑚が死んで、波で砕けて流れてるからこんなに白いの」

「へーさすが物知りさん
でも死骸って言い方が一気にムードぶち壊しだな」

「だって死骸だし」




サラサラの白い砂にテンションが上がる葵



歩く内に砂がサンダルの中に入ってくる感覚が凄くくすぐったい




「葵、こっち」



葵を手招きした

海岸沿いを少し歩いたところ




「うわー…めっちゃ綺麗…」

「でしょ

今までは一人で見てたんだけどね
葵と見れて良かった」




夕暮れ時


太陽が沈む頃



紅く染まる空




この瞬間を葵に見せたかった



特別な時間

特別な光景



特別な人と

< 210 / 433 >

この作品をシェア

pagetop