コイビト未満


「わ、…葵?」

「誰も見てないから

もう少しだけ…」



後ろから抱きしめられる



余計な言葉は要らない





葵の優しい香りが愛しくて



このまま時が止まれば…なんて


子供みたいなこと思ってしまったり




「菜成…俺菜成には無理させたくない

だけど

俺はずっと菜成のこと好きだから

何があっても菜成だけが好きだから
いつかちゃんと、応えて欲しい」


「葵………」




急に真面目になる葵

私のいい加減にしちゃっている部分に


それでいいっていいながらもやっぱりずっと気にしているんだよね…



私も葵は大切



だけど、怖い思いが大きくて



それは葵は一切悪くなんてなくって


私の性格のせいで



こんなダメな私が葵を苦しめている




分かっているのに、言えない



< 211 / 433 >

この作品をシェア

pagetop