コイビト未満



「ごめんね葵…」

「何のごめんね?」

「いや…色々ごめんねっていう…色々…」

「なんだそれ」




葵は笑った


私の言いたいことなんて全部分かってる



だからその代わりにぎゅっとしてくれる





「……日が沈んじゃう」

「ね、
いつもだったら気にしたこともなく日が暮れてるのに

こんな寂しい気持ちになるんだもん」




太陽が水平線に触れて

少しずつ今日が終わって行く






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