コイビト未満


「ん〜〜あおいくん!」

「なに」

「おいでって」

「何で上からなんだよ…」






レストランを出て先を行こうとする葵を呼び止めた


酔っ払いの私に、呆れているような顔で振り向く葵



「歩けない」

「あなたいつかもありましたね、こんなこと
たく…どっちが甘えただよ」





グチグチ言いながら葵は私の方まで戻ってきて


軽々とお姫様抱っこ


いきなり身体がふわっと浮いて


生まれて初めてのお姫様抱っこ



酔っ払ってるなりにも少し正気に戻り




恥ずかしさがこみ上げる




「いやー!葵恥ずかしいっ恥ずかしいからー!」

「歩けないつったの誰だよバーカ
つべこべ言わない」





< 215 / 433 >

この作品をシェア

pagetop