コイビト未満



「でもね、ここは何度も火災とか起きてて、建て替えられてるの
だから綺麗でしょ
昔のままではないんだ」


「へー……」

「それも全部含めて歴史なんだけどね」




私の一つ一つに耳を傾けてくれる葵が嬉しい


教育実習の時なんて、一切何も聞いてなかったくせに





それが凄く凄く嬉しい



「もっと一緒に行きたいところあるんだ
でも時間が足りないから、また次回」

「え?
次回って…また一緒に行ってくれんの?」




何気無く言った言葉が葵には響いた


”また次回”

全然意識なんてしていなかったけど
葵がそんなこと言うから


自分でもびっくりしちゃって
< 222 / 433 >

この作品をシェア

pagetop